なんでこういうガイドブックを読もうと思ったのか、それはTOPに一目ぼれしたからだ。
とある家屋の一室で、視線を閉じバリヤを向いて佇むエンペラーペンギン、その横でキョトンとした表情の女児。
女児や家屋のあらましはポップに描かれているのに、なんだかこういうペンギンからはリアルな印象を受けます。
人間の身の回りとは程遠いはずのペンギンが活躍するマガジン、非常に気になってガイドブックを購入しました。
主役のヴィクトルはキエフに住む売れない作家、しかも失恋したばかり。
同じく独りぼっちのペンギン(動物園で飼育できなくなって譲ってもらった)ミーシャと暮らしていらっしゃる。
犬やネコと変わり、ヴィクトルへの愛着をそれほど指しないミーシャとの身の回りは、内面が通っているのかバラバラなのか、あまりわかりません。
ダイアログがすすむにつれヴィクトルの家屋に同居ヤツが増えてゆくのですが、ミーシャとの系が示唆しているように、総出どっかぎこちないのです。
大切にしていないわけでも無く、でも代理人がドシドシ要るような、そういった不確か関係で結ばれて掛かる自分だ。
はたから見たら、ファミリーとペットのように窺えるのでしょうけれど。
内面が通っていないのに通った考えになっている、こんなヴィクトルの孤立を描いた品物だ。
しかし名称と変わり、リーダーをメランコリーにやる品物ではありません。
それはひとえにペンギンの奮戦といっても過言ではないでしょう。
内部をヨチヨチ走り回り友達、飼い主に控えめに甘えるミーシャの格好は、イメージするだけでも茶目っ気があり殺伐とした内容を和ませてもらえる。
ペンギンが色恋、ロシア語文学が色恋、どちらにもおすすめしたいガイドブックだ。アイフル 窓口